赤い羽根共募

共同募金の配分を受け、聴覚に障害を持つ子どもたちのための「夏休みろう子どもクラブ」を８月に６日間開催しました。全県から、延べ113名の子どもたちが参加しました。

毎年継続して参加する子どもの他、今年は地域の学校に通う聞こえない子どもの参加もあり、聞こえない子どもたちが手話で交流が社会に広がりつつあることが実感できました。

企画では、幼児と小中高生に分かれ工作や運動、勉強、調理などを行いました。幼児は小麦粉粘土や写真立て制作、フリスビーなどを製作し、作った道具を実際に使用して遊びました。小中高生は勉強、体育館での運動、全体調理やプールなど、各日の企画を楽しみました。小中高生の「ミニ手話講座」では手話の勉強だけでなく、ろう者の文化や聞こえないことについて、普段疑問に思っていることや子どもたちが感じていることを話し合いました。手話での集団ゲームは毎度盛り上がり、手話ができない子どもも、自然にろう者の支援者にその場で尋ねる、また知っている動作で意思疎通を図る様子が見られました。成人のろう者や同じ聞こえない友達と活動することで、子どもたちが描く将来像の育成につながっています。

また、今年は４年ぶりにお茶工場（静岡市）に社会見学（小学高学年～高校生）に行くことができました。お茶の製造過程や高温の中での作業を目の前で見学し、いつも飲んでいるお茶がどのように作られるかを真剣に学んでいました。

参加した子どもたちからは「高校生になっても参加したい」「もっと長く開催してほしい」と感想があり、このクラブを楽しんでくれたことが伝わりました。

今年もこの事業に温かいご支援をいただき、ありがとうございました。 

今年も共同募金の受配により、ろう高齢者交流支援事業を県内（東部・中部・西部）3地域において開催することができました。ろう高齢者とは手話を言語とする高齢者のことです。全17回スタッフを含め延べ459名、60代～80代のろう高齢者が集い、脳ベルクイズ・グラウンドゴルフ・ボッチャ・室内ゲーム・ミニ運動会・ストレッチ体操・情報交換・社会見学などのお楽しみ企画の開催や、出前講座では手話通訳をつけて、健康管理、高齢者交通安全の教養講座も行いました。9月の企画ではテレビ静岡の取材がありニュースで交流の様子が取り上げられ、ろう高齢者が生き生きとしている姿が放送された。普段通っている地域の聞こえる人たちと過ごすデイサービスでは意思疎通ができず、話し相手がいません。この事業により、ろう高齢者は自由に手話で話し合い、楽しむことができたと喜び合っています。

　共同募金を寄せて下さった、多くの方々の温かなお気持ちに感謝し、事業を成し遂げられました。ご支援に心からお礼申し上げます。